時間管理のマトリックス(緊急度と重要度のマトリックス)という言葉をご存じでしょう。
多くのビジネスマンにおいて、限られた時間の中で、いかに効率的に仕事をこなし、生産性を上げていくかは最も重要かつ、突き詰めなければならない課題と言えるでしょう。そのためには抱えているタスクに、適切な優先順位を付けることが必須となります。
この記事では、タスクの優先順位付けに役立つ「時間管理のマトリックス」(緊急度と重要度のマトリックス)という考え方について解説します。日々多くのタスクに優先順位をつけるだけで時間がかかってしまっているという方は是非、参考にしていただければと思います。
1. 時間管理のマトリックスとは?
時間管理のマトリックスとは、「7つの習慣」という世界的に有名な本の著者である、スティーブン・コヴィー氏が提唱したタスク管理法です。
タスク管理をするためには、優先順位の高いものから順番に対応していく必要がありますが、時間管理のマトリックスは物事の優先順位を判断するためのフレームワークとして機能します。具体的には、タスクを「緊急度」と「重要度」の2軸を使い分類するため、「緊急度と重要度のマトリックス」とも呼ばれます。
2. 時間管理マトリックスが有効な理由
ここからは、ビジネスにおいて時間管理マトリックスが有効である理由について触れていきます。
2.1 タスクの優先順位付け
ビジネスにおいて、私たちは様々なタスクをこなしていく必要があるわけですが、そのタスクの中にはもちろん優先順位というものがあります。ですが膨大なタスクの量を見て、一度にその優先度に順位を付けるのは中々難しいものです。そこで時間管理マトリックスが活躍します。
緊急度と重要度に分けてタスクを管理するため、この2つの要因に沿って表を埋めていくだけで自然と優先順位が整理されます。
2.2 不必要なタスクを除外出来る
緊急度、重要度共に低いタスクは、そもそもタスクを行わないという選択肢を取っても問題がない場合が多く、マトリックスによる分類をすることで初めて気づきを得られる場合も多いです。また緊急度が高く重要度が低いタスクにも、やらなくてもよいタスクがある場合もあります。
しかしチームでプロジェクトを行なっている場合には、自分には重要度が高くなくとも、他のメンバーには重要なタスクである可能性もあります。やらないタスクを決めることは重要ですが、慎重に決定する必要があります。
2.3 タスクによってリソースの分配ができる
緊急度と重要度を考慮に入れることで、タスクの優先順位が明確になると、一つのタスクに集中して取り組むことができるため、マルチタスクから脱却でき、生産性が上昇するでしょう。また無駄な作業が減る結果、より重要なタスクに時間を割くことができたりと、仕事の効率も上がります。
さらにプロジェクトをマネジメントする役割を持つPMにおいても、より優先度の高いタスクに多くのメンバーをアサインさせたり、時間を取ったりと、的確なリソース配分が可能になり、プロジェクトの売上増加や、メンバーの長時間労働の是正などさまざまな効果が期待できるでしょう。
3.仕事における時間管理マトリックスの活用方法
3.1 具体例
まず、タスクを以下の分類で4領域に仕分けしましょう。以下はboardmixという、無料で利用できる時間管理ツールの中にあるテンプレートです。
このテンプレートの中にある、Urgent(=緊急性)、Important(重要性)の2軸によってタスクを分類することができます。そのため4つの分類が出来るわけですが、ここではビジネスにおけるそれぞれのタスクへの考え方や例について紹介していきます。
〈赤の部分〉問題・課題の領域
緊急度も重要度も高い領域。
納期直前の作業や顧客からのクレーム対応など、即時対応が必要となるもので、何よりも先に着手しなければならない領域です。
〈青の部分〉質の高い領域
重要ではあるが、すぐに対応しなくてもよい領域。
中長期計画の策定、人材育成、技術開発などがこれにあたります。即時に成果に結びつかないものの、企業の将来を左右する、ビジネスの根幹となる活動の領域です。ビジネスを成長させる上ではこの部分がとても重要となります。
〈黄色の部分〉見せかけの領域
緊急度が高いものの、重要ではない領域。
それほど重要でない電話や突然の来客への対応などが入ります。その時の緊急性から優先事項として見てしまいがちですが、あとから振り返ると対して重要では無かったと思うようなタスクばかりです。
〈緑の部分〉ムダな領域
緊急でも重要でもない領域。
将来の役に立つことがほとんどない、時間の浪費ともいえる領域です。無駄話や意味のないネットサーフィンなど、分かりやすく時間を無駄にしている作業がここに入ります。「意味のないことはとっくに知っているし、わざわざこんな分類をしなくてもいいじゃないか」と思いがちですが、あえてきちんとここに分類することで、時間を無駄にしない意識が身についてきます。
3.2 ビジネスにおいては第2領域が最重要
時間管理マトリックスにおける4つの領域で、最も重要なのは第2領域(青の部分)です。第2領域に入るタスクは望む結果を得るために重要な活動です。
しかしそれと同時に、ほとんどが「今日やらなくても困らない(納期がない)」タスクでもあるのです。私たちは納期があるタスクを優先してしまう傾向があるため、納期がない第2領域の活動をつい後回しにしてしまいがちです。
また、第2領域の活動はすぐに効果を得られるものではないことも多いです。第2領域の活動は根本的な問題解決や環境整備であることが多く、第1領域のタスクを減らす効果がありますが、「緊急ではないため後回しにされがちで、結局行なわれない」というケースがよくあります。
「緊急度>重要度」で物事を判断する癖がついてしまうと、緊急で降りかかってくるタスクに常に振り回されてしまい、いつまで経っても本当に重要なタスクに取り組むことができません。ビジネスにおいては、自分の時間を「重要」の領域(第1・第2領域)で使うことが大切です。
4. 時間管理のマトリックスにおすすめの無料ツールboardmix
4.1 タスク管理にツールが必須の理由
時間管理のマトリックスを行う上で、ツールは欠かせません。手書きで行うのはもちろん手間ですし、自分でツールを作るわけにもいきませんよね。そのためタスク管理のためのテンプレートが豊富かつ、他人に共有するのも容易な無料ツールを使ってしまうのが1番手っ取り早いと言えるのです。
4.2 おすすめなのがタスク管理ツール無料boardmix
豊富なテンプレートを持ち、タスク管理にはうってつけのツールが「boardmix」です。このツールは無料で利用することが出来る上に、先程も軽く触れましたが、時間管理のマトリックスのためのテンプレートも、もちろん兼ね備えています。
また、boardmixはクラウド上で瞬時に仲間とページを共有出来るため、会社のグループワークなどにもぴったりです。以下の画像のように、他にも多くのテンプレートがあるため、汎用性はかなり高いと言えるでしょう。
まとめ
今回は時間管理のマトリックスについて解説してきました。タスク管理はビジネスを行う上では必須のスキルであり、「緊急度」と「重要度」の2面でタスクを分類することが必要でした。
そしてタスクの分類を行うことで、それぞれのタスクへのリソースの割き方を調整出来たり、やらないタスクの明確化が出来るというメリットがありました。これらの要素を理解した上で、boardmix等の無料ツールを使い、是非ビジネスの効率を上げていってください。