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あおい
あおい

投稿日 Sep 24, 2024, 更新日 Sep 24, 2024

データベースを設計する上で、そのフローに与えるリスクを把握することは非常に重要です。本記事では、データベースを作成する際、俯瞰して関係性を把握し、リスクマネジメントにも活かすことができる、ER図について解説します。そしてER図の作り方や無料作成ツールを紹介します。ぜひご参考ください。

1. ER図とは?

ER図とは

ERとは「Entity Relationship Diagram」の略です。データベース設計には様々な設計図が用いられますが、ER図はその代表格と言えます。

ER図は「DOA(データ中心アプローチ)」の技法を利用し、作成したER図を物理データベースに直接変換できます。データベースの設計手法としては標準とも言える存在です。ERの「E」はEntityで「実体」、「R」のRelationshipは「関係」を意味します。よって、ER図とは「データ(実体)」と「関係」の組み合わせを視覚化し、システムにおけるデータ間の構造を表しているのです。

2. ER図を書くメリット

システムの保守や運用工程に役立つ

システムを開発しても、それで終わりではありません。稼働中は監視を行いながら、常にシステムの改良・改善を模索し、改修を行わなければなりません。ER図はそんなシステム稼働後の保守や運用工程に活かすことも可能です。

常にシステムの設計者が常駐する現場であれば問題ないかもしれませんが、現実的には難しいでしょう。そんな時でもER図があれば、初見のエンジニアであっても容易にシステム設計の中身を理解することができ、安心安全にシステムの改修が可能となるのです。

余分なコストを抑えられる

システムのデータベースが複雑化すると、設計ミスが発生する恐れがあります。その場合、最悪一から設計の見直しを迫られ、不必要なコストが発生します。しかしシステム開発中にER図を作成していれば、常にシステムの構造を把握しながら進めることができます。ミスを防止し、万が一ミスがあっても最小限のロスで溜め、発見、修正を行えます。結果として余分なコストを抑えることができるのです。

3. ER図の作成方法

それでは、実際にER図をどう書けば良いのかをご説明します。一つ一つ手順を踏めば難しくはありませんので、ぜひトライしてみてください。

3.1 システムの概要を把握する

ER図を作成する前に、システムの開発手順を理解していなくてはなりません。当たり前のことかもしれませんが、とても重要です。

そこでおすすめなのが、まずユースケース図を作成することです。ユースケース図とはシステムで何ができるか、つまり利用例などを視覚化した物であり、根本である「システムの進め方」を示す物です。このユースケース図を先に作成して、それを元にER図に着手する形が理想と言えるでしょう。

3.2 Entity(エンティティ)を列挙する

エンティティとは、先立ってご説明したER図のEであり、「物体」を意味します。ER図において物体とは「商品情報」であったり、「顧客情報」などを指します。どんなエンティティを視覚化するかにより、ER図全体の構成が決まると言っても過言ではありません。

3.3 エンティティをデータごとに分ける

エンティティは大きく分けて二種類あり、それぞれ「マスターデータ」と「トランザクションデータ」と呼びます。マスタデータを基礎となる固定データ、トランザクションデータを流動的で変化するデータとして分類します。ここでしっかりと分類できれば、以降の作業がスムーズに行えます。

3.4 アトリビュートを列挙する

「アトリビュート」とは、エンティティの中の属性情報のことです。先に上げた、エンティティを「顧客情報」とするなら、アトリビュートは「顧客名」「住所」「電話番号」などの個人情報が該当します。

3.5 ER図に落とし込む

最後にエンティティを繋ぐリレーションやカーディナリティの設計を行い、ER図の作成に移ります。リレーションとはエンティティ同士の関係を表現する線、カーディナリティとはリレーションで使われる記号を指します。ここまで列挙したエンティティやアトリビュートをリレーションで繋ぐことで、より詳細な情報を視覚化できるのです。一方で、一部の記号を用いれば矢印や接続線のみでER図作成が可能です。

4. ER図で使用される記号

次はER図を作成する際、一般的に用いる記号を紹介します。

長方形

ER図で使用される長方形の記号

長方形は「強実体」、つまりエンティティを表しています。強実体にはそれに付属する「弱実体(二重の長方形)」が存在します。

楕円形

ER図で使用される楕円形の記号

「属性」を表す楕円形であり、アトリビュートを表します。

ひし形

ER図で使用されるひし形記号

ひし形は、エンティティ間の「関係(Relationship)」を示すために使用されます。二重枠の「弱関連」もあります。

矢印と接続線

ER図で使用される矢印と接続線の記号

線と矢印は、どのエンティティが互いに関連しているかを示すために使用されます。

カーディナリティ

ER図で使用されるカーディナリティの記号

カーディナリティは一方から他方へ、どのくらいの情報が流れるかを示すものです。

5. 無料のER図作成ツール

5.1 excel

Excelは世界的にメジャーなツールです。実はExcelで描画できる図形のみでも、ER図を作成することは可能なのです。専用のツールを用意する暇がない、簡易的だから複雑なアイコンは必要ない方は、Excelで作成するのも良いです。

しかし、Excelでの作成には限界もあります。そもそも描画できる図形そのものが、ER図作成に適したものではないため、システムが複雑化すればするほど多大な時間と労力を必要とします。Excelでも書けるけど、もっと効率的に書きたい、多彩なアイコンを使用したい、そんな方にはER図の作成に適した各種ツールの導入をおすすめします。

それでは、実際のおすすめのツールを紹介しましょう。

5.2 Boardmix

boardmixはクラウドを利用したホワイトボードツールで、インストールする必要が有りません。ダイヤグラムやチャート、構成図やワイヤーフレーム、インフォグラフィックスの作成が可能です。

クラウドの利点を活用し、離れたメンバー同士でもネット環境さえあれば時間や場所を問わずにリモートで同時編集ができます。またフローチャートに画像やファイルなどを挿入でき、より視覚的な表現を行うことができます。

6. boardmixでのER図の作り方

ER図を制作するツール

それでは実際にboardmixを使用して簡易的なER図を作成してみましょう。

  • まず新規のホワイトボードを作成。shape libraryから必要なフローを選択します。

boardmixでのER図の作成手順1

  • フロー内に必要事項を記入し、ラインで結びます。

boardmixでのER図の作成手順2

ごくごく簡易的ですが、これだけでER図の基本形が作成できました。後は必要なエンティティやアトリビュートを追加し、結んでいくことでより複雑なER図が完成します。

boardmixを無料で利用 矢印

まとめ

ER図は一見簡易的に見えますが、データベースや情報システムでデータを編成する際には、とても有用な設計図です。頭で理解していることを視覚化して、メンバー間の情報の食い違いを防ぎ、工程中のリスクを軽減できます。改めてそのメリットを挙げます。

・システムの保守や運用工程に役立つ

・余分なコストを抑えられる

どちらも実際にシステムを開発する際には、とても大切な要素ですよね。ぜひboardmixでER図を作成し活用し、アナタのビジネスに役立てて下さい。

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