ある業務を行った後、個人またはチームで今後の動きを決めていくにはどういった方法があるでしょう。ビジネスシーンにおいて、業務効率の改善やモチベーションの向上のために振り返り(リフレクション)がとても役に立ちます。
振り返りの重要性は、ビジネスにおける課題や問題点などが整理されること、そして、悪かった点だけでなく良かった点についても振り返るため、個人やチームの成長を実感できることにあります。
本記事では、振り返りの手法、振り返りの実践に使えるフレームワーク8選を紹介します。
1. 振り返りとは何か?
振り返りとは、個人やチームの過去の行動を客観的に見直し、改善点や反省点、良かった点や悪かった点を見つけることにより、今後の動きを良くしていくためのものです。
振り返りは、業務の結果を確認するだけではなく、これからの動きをどのようにしていくかについても決めることが大切です。
2. 振り返りフレームワーク8選
以下で、振り返りに使える各種フレームワークについて説明します。
2.1 KPT
KPTは「Keep」「Problem」「Try」の頭文字で、「ケプト」または「ケーティーピー」と読みます。振り返りに必要な3つの観点を表しています。
- K:Keep 良かったこと、続けて取り組むべき点。
- P:Problem 問題点、課題。
- T:Try 挑戦、これからの取り組み、解決策。
これら3つの項目に振り分けて振り返りを行います。このフレームワークを使う場合、これからの取り組みを具体的にします。問題点における原因を考え、分かりやすく行動できる内容で考えると、業務の改善に役立ちます。
2.2 YWT
YWTは振り返りを以下の3つの観点で整理するフレームワークです。
- Y:やったこと。
- W:わかったこと。
- T:次にやること
「Y(やったこと)」では実際の取り組みや経験にフォーカスします。事実のみを列挙するため、良かった点や悪かった点などを考える必要はありません。
「W(わかったこと)」では「Y(やったこと)」からどのようなことが分かったかを洗い出します。できるだけ詳しく書き出していくことで、「T(次にやること)」がはっきりとしてきます。
「T(次にやること)」では「Y(やったこと)」「W(わかったこと)」の内容から、次にどのようなアクションを行っていくかを考えます。
2.3 PDCA
PDCAはPlan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価) Action(改善)という流れで改善を繰り返すフレームワークです。
- Plan(計画): 現状や理想の数値から計画を作成し、目標やゴールを設定する。
- Do(実行): 目標に到達できるよう、計画を実行する。
- Check(評価): 実行した結果に対して評価を行う。
- Action(改善): 評価を受けて改善策を検討し、それを踏まえて次の行動を行う。
2.4 Start–Stop–Continue–Change
個人の取り組みに対して振り返りを継続的に行うことに有効なフレームワークです。ルーティンワークの見直しに効果的です。
- Start:今後取り組みたいこと
- Stop:今取り組んでいることで、やめたいこと
- Continue:今取り組んでいることで、継続したいこと
- Change :今取り組んでいることで、工夫・変更したいこと
特に重要なのは「Stop」の項目です。必要がないのにルーティンとして無駄に行っている作業がないかを確認するのに役立ちます。
2.5 KPTA
KPTAは、KPTにA(Action: 行動)を追加したフレームワークです。
- K:Keep 良かったこと、続けて取り組むべき点
- P:Problem 問題点、課題
- T:Try 挑戦、これからの取り組み、解決策
- A:Action 具体的な行動
KPTにおいて「Try」の内容が抽象的になってしまうことがあります。「Action」を付け足すことにより、さらに具体的な行動を計画することが可能です。
2.6 LAMDA
LAMDAは、PDCAを発展させた形のフレームワークです。
- L:Look 現状行っていることを確認する。
- A:Ask なぜそれが起こっているのか背景を確認する。
- M:Model 理解した状況をシンプルに体系化する
- D:Discuss 今後何をするかを議論し、深める。
- A:Act 決定事項をもとに行動する
「Look」では、考え方を具体的なものにするため、現地に直接赴いて状況を確認することが大切です。
2.7 Star fish
Star fishは、KPT(A)と似たフレームワークです。違いとしては、Star fishではKPT(A)の「Problem」が「Less of」と「Stop Doing」に細分化されています。
- keep Doing:すでに効果があることが分かっていて、これからも続けること
- More of:すでにやっていることで、効果があり、これからさらに取り組みたいこと
- Less of:効果がなく、減らしていきたい取り組み
- Stop Doing:メリットがなく、やめること
- Start Doing:新しく始めたい取り組み
全ての項目に対して書き出しを行い、チームで共有します。そして一番重要な課題について投票で決めて議論し、次のアクションにつなげていきます。
2.8 Timeline
Timeline、チームメンバー全員の行動を時系列に並べるフレームワークです。メンバー間の関係性をとらえ、改善点を見つけることができます。振り返りを行いたい時期にあったこと、良かったことと悪かったことなどを時系列に沿って洗い出していきます。その中で特に気になった点について投票で決め、議論します。
時系列で出来事を並べることにより見落としなくメンバーの行動を復習することができます。
3. 振り返りの実施に役立つオンラインホワイトボードboardmix
このように、振り返りを行う時はフレームワークを利用することで、問題点や改善点、今後の取り組みをより明確にすることができます。オンラインホワイトボード「boardmix」の振り返りフレームワークのテンプレートを活用すれば、簡単に振り返りを行うことができます。
「boardmix」は無料のツールですので、組織で振り返りを導入するにあたって、気軽に使用感を試してみることが可能です。オススメする理由としては他にも、遠方のチームメンバーともオンラインで画面を共有することができ、複数のメンバーで共同編集をすることが可能なので、フレームワークの各項目を書き出す作業も大勢で行うことができることが挙げられます。
また、図形やテキスト、テンプレートの挿入を直観的に行うことができ、タイムロスがないため、振り返りの作業をストレスなく行えることもメリットのひとつです。
具体的な使用方法ですが、例えば、「boardmix」でPDCAのフレームワークを使いたい時には、以下のように簡単にテーブルの作成とテキストの入力が可能です。
また、このようなテンプレートを挿入することで、KPTのフレームワークをホワイトボード上に表現することができます。
まとめ
オンラインホワイトボード「boardmix」を使えば、振り返りフレームワークの共有をチーム内でスムーズに行うことができます。振り返りを行って、ビジネスの改善点の理解とチームメンバーのモチベーションの向上を目指しましょう。
振り返りには上記で紹介したものの他にも様々なフレームワークを用いることができます。個人やチーム、そしてプロジェクトに合ったフレームワークを選んで振り返りを行い、組織の成長に役立ててください。