集団で自由にアイデアを出し合い、参加メンバー同士で互いに刺激を与え合うことのできる会議手法として「ブレインストーミング」があります。ブレインストーミングを行い、参加メンバー同士で自由なアイデアを出し合ったとします。さて、その後は何をすれば良いのでしょうか?
ブレインストーミングによるアイデア出しの後は、出てきた意見をそのままにせず、アイデアをまとめて分析する必要があります。アイデアの整理のためには「KJ法」を使うのが効率的です。一見するとバラバラなデータやアイデアをグループ分けし、図解化、文章化することで新たなアイデアの発想を行うことができるというデータ整理の手法です。
ここでは、KJ法とは何か、KJ法のやり方やメリットについて紹介していきます。ビジネスや学習などの場でぜひ役立ててみてください。
1. KJ法とは何か?
KJ法とは、ブレインストーミングで出てきたアイデアや、フィールドワークで集まった多くのデータを統合し、新たな発想を生み出すために使われるデータ整理の手法です。文化人類学者の川喜田二郎氏によって考案されました。データやアイデアをカードに記述し、それらをグループ分けして整理した後、関連性に基づいて図解し、最終的に文章化するのがKJ法のやり方です。
KJ法でのデータやアイデアの整理、文章化をすることによる新しいアイデアの創出は以下の4ステップで進めます。
- カードを作成する
KJ法ではまず、1つのデータやアイデアを1枚のカード(付箋など)に要約して記述します。この時、カード1枚につき1つのデータのみを書き込みます。アイデアのニュアンスを変えないため、発言者の使った言葉をそのまま記述することに注意してください。
- グループ編成をする
作られたカードの中から、類似のものをグループにまとめます。それぞれのグループには見出しをつけます。最初に小さなグループを作り、見出しをつけます。どのグループにも属さないようなカードはそのままの状態にしておいて問題ありません。続いて、小さなグループをさらに関連性のあるもの同士でまとめ、大きなグループを作ってまた見出しをつけます。
- 図解化
大きなグループが10個程度になったら、まずは、関連性の高そうなグループ同士を近くに配置します。そして、グループになっているカードを展開して、互いに関係している事柄を図解します。
この時、階層状に表す「ツリー型」や時間的な流れを表す「フロー型」などのフレームワークや矢印の記号を使うことで、図が分かりやすいものになります。また、「原因」「結果」「相関」「類似」「反対」といった関係性も書き込みます。
- 叙述化(文章化)
図解化したカードを参考にして文章を作ります。文章化することによって、新しいアイデアや発見が生まれます。複数のメンバーでKJ法を行っている場合は、いくつかのチームに分かれてそれぞれで文章化することで、別の視点による発見が生まれることもあります。チームごとに文章化する方法は様々な発見をするために有効です。
2. アイデアの発想においてKJ法の利用が効果的
ブレインストーミングによって多くのアイデアが集まった後は、KJ法を活用することで、一見関連性のない、バラバラであったアイデアをグループ分けすることが可能です。そして、グループ分けしたカードを関連性に基づいて図解化し、文章としてまとめることで、新たなアイデアの発想を生み出すことができるのです。
KJ法のメリットは、ブレインストーミングのアイデア出しの段階では気づかなかった新しい視点や発想が得られることです。アイデアをグループ分けし、図解化・文章化することで、アイデアをまとめ、物事の新しい面や本質をとらえることが可能になります。
ブレインストーミングやKJ法は参加メンバーが一か所に集まって行う必要がありますが、Web会議でホワイトボードを共有することができれば、リモート接続による参加者を含めての実施が可能です。KJ法におけるカード作成、グループ編成、図解化をWeb上のボードで行い、共有することのできる無料のアプリを活用しましょう。
3. ブレストのための無料アプリboardmix
ブレインストーミングで出てきた多くのアイデアをグループごとにまとめ、図解化するために利用できる無料アプリ「boardmix」は、初めて使うユーザーにも簡単に操作することができるオンラインホワイトボードです。
KJ法で最初に準備する、アイデアを記入するためのカードや、図解化で必要なフレームワークがドラッグアンドドロップの操作でボードに配置することができます。「boardmix」の操作感は非常になめらかです。直観的に使用できる使い心地の良いアプリであり、ビジネスや教育の場で気軽に使用するには最適なものとなっています。
例えば以下の図のように「boardmix」アプリ内の付箋を使えば、ブレインストーミングのアイデアを記述するカードを簡単に準備することが可能です。テキスト入力も楽に行えるため、アイデアやグループ見出しの記述を素早く行えます。
4. まとめ
ブレインストーミングによって集まったクリエイティブなアイデアをKJ法によって効率的にまとめ、新たな発想を生み出しましょう。ブレインストーミングでは、メンバーによって出されたアイデアを否定することはしません。自由に意見を交換し、KJ法によってアイデアを統合・文章化して、新しいアイデアを創出します。その作業を繰り返すことで組織はより創造的な集団となり、次々と自由なアイデアが発想されるようになるでしょう。
無料のオンラインホワイトボードアプリ「boardmix」を活用して、ブレストの結果、KJ法のステップを組織で簡単に共有し、効率的にアイデアの統合・分析が行えます。
この記事で紹介したブレインストーミング、KJ法、そして無料のアプリであるオンラインホワイトボード「boardmix」が皆さんのビジネスや学習の場で、新しいアイデアを生み出すために役に立つことを願っています。