マーケティングの世界で、ペルソナとは詳細な設定をした架空の顧客プロファイルのことです。名前や年齢以外にも、価値観やライフスタイルなどの詳細なデータを使い、いかにも現実に存在してるかのような人物像を設計します。商品開発や改善、プロモーションなどに使われますが、設計方法には注意が必要です。
ペルソナを作るときは、想像だけで細部を埋めるより、調査した事実とまだ確かめていない仮説を分けることが大切です。架空の飲食店の例で、人物像をどう整理し、次の調査や施策に使うかを見ていきます。
1. ペルソナマーケティングとは

ペルソナマーケティングとは、ユーザー像としてペルソナを具体的に設計し、ユーザーの思考や行動から施策を最適化するマーケティング法です。氏名や年齢などの基本データから、家族構成や経済力、居住地、勤務先など経済行動に結びつく項目などの設計をします。モデルやCGで人物の写真を作るケースもあります。
ターゲットとよく似ていますが、ペルソナはターゲットよりもより詳細な設計です。
2. ペルソナマーケティングの目的
ペルソナマーケティングは、かなり詳細な人物像を設計しますが、具体的にどのような目的で使われるのでしょうか?ここでは、ペルソナマーケティングの目的を紹介します。
- チームで共通のイメージを作る
さまざまな部署や方面から集められたチームには、年齢や性別、思考などの全く違うメンバーが集まります。そのため、チームで同じ方向を向いて進められるように、共通のイメージを作る必要があるのです。そんな時に、ペルソナを設計していることで、メンバーが具体的なイメージが湧きやすくなり、共通のイメージを持って進めることが可能になります。
- ユーザーの問題点や課題点を見つける
詳細なペルソナを設計していることで、ユーザーの問題点や課題点を見つけやすくなります。なぜなら、ペルソナの置かれている環境や購買心理などを想像し、どのような生活を送っているかを整理していくことで、商品への不満や悩みを連想しやすくなるからです。その結果、問題点や課題点が見つかり、改善することで売上や顧客満足度の向上につながります。
- 効果的な戦略設計を組み立てる
ペルソナを設計することで、ターゲットとなるユーザーへの効果的なアプローチを模索することが可能です。架空の人物像を設計し、ユーザー目線に立つことで、ユーザーへのより効果的なアプローチなどの施策を組み立てることができます。
3. 飲食店を想定したペルソナの作成例

ここでは、仕事の合間に昼食を買う人を想定した架空の飲食店の例を使います。実在企業の成功実績や顧客調査の結果を示すものではなく、集めた情報を施策に結び付けるための練習例です。
対象とする人は、平日の昼休みに短時間で温かい食事を買いたい会社員です。年齢や趣味を細かく埋める前に、来店する場面、選ぶ理由、困っていることを整理します。実務ではインタビューや注文記録を根拠にして、この仮の人物像を更新してください。
仮の人物像を次のように整理します。
- 店舗の近くで平日に働いている
- 昼食に使える時間が限られている
- 一人分を持ち帰って食べることが多い
- 待ち時間が分からない店は選びにくい
- 量や材料を事前に確認したい
- 価格と受け取り時間を比べて店を選ぶ
この段階では、人物像に書いたことを事実として扱いません。たとえば待ち時間を重視するかどうかは、利用者への質問や購入行動から確かめます。根拠がない項目は仮説として分けておきましょう。
この仮説から考えられる施策は、次のとおりです。
- 近隣で働く人が立ち寄れる受け取り導線を考える
- 混雑時間と待ち時間の見込みを表示する
- 一人分を注文しやすいメニューと持ち帰り方法を用意する
- 材料や量を注文前に確認できるようにする
- 価格だけでなく受け取りまでの時間も比較できるようにする
まずは受け取り時間の表示など一つの施策を試し、問い合わせ内容や注文後の反応を調べます。想定と違う結果が出たら、人物像や施策を見直します。ペルソナは思い込みを正当化するためではなく、調べるべき点とチームの判断基準をそろえるために使います。
4. ペルソナの設計方法
具体的には、どのようにしてペルソナを設計するのでしょうか。このペルソナ設計を間違えてしまうと、今後のマーケティング戦略の失敗につながります。ここでは、ペルソナの設計方法を紹介します。
4.1 ターゲット属性を決める
ペルソナを設計するには、まずターゲット属性を決める必要があります。下記の3つの属性から対象となるターゲット属性を決めてみましょう。いくつか顧客属性がある場合は、顧客属性をグルーピングするといいです。

4.2 データを収集する
ターゲット属性を設計したら、データを収集します。
既存の事業であれば、すでに所有している顧客データをもとに、新規事業であれば定量調査をもとにデータを収集するといいです。既存事業の場合、すでに持っている定量データだけでなく、ユーザーからの問い合わせ内容やセミナー参加者のアンケートなどの定性データも参考にしてみましょう。
新規事業の場合は、ユーザーインタビューやアンケート、一般公開されているデータをもとに属性の調査をおこないます。
4.3 ペルソナを決定する
これまでに収集したデータをもとにペルソナを決定します。設定する内容には以下のようなものがあります。

ペルソナを決定する際は、メンバー全員での共通認識のためにも、チーム全体で議論することをオススメします。
5. ペルソナ無料作成ツール
ペルソナを設計した後は、人物像をわかりやすくするため、ペルソナテンプレートを作ることがオススメです。ここでは、そのペルソナテンプレートを作成するオススメの無料ツール「boardmix」を紹介します。無料で使用できるため、導入コストも抑えることができ、簡単に早く作成が可能です。ぜひ参考にして、導入を検討してみてください。
5.1 boardmix

boardmixは、オンラインホワイトボードによって共同での編集や閲覧を可能にした次世代型の無料デザインツールです。boardmixの特徴は以下になります。
- 無料で使用可能
- 付箋・図形・表を使った情報整理
- オンラインでの共有が可能
- シンプルな設計
- 直感的な操作性
- チームでの共有・編集が可能
Boardmixのボードには、顧客の発言、行動、困りごとと、それを裏付ける資料を並べられます。チームで編集するときは確認済みの事実と仮説の色やラベルを分けると、話し合いが進めやすくなります。無料プランは、編集可能なボード3枚、ボードあたり100オブジェクト、1GBのストレージが対象です。スターターは年払いの場合1人あたり月額US$5、月払いの場合US$12です。AIクレジットや書き出しの条件はBoardmixの料金プランで比較できます。
5.2 ペルソナテンプレート
今回は、実際にboardmixを使ってペルソナテンプレートを作成して、多機能性を紹介します。boardmixには、デフォルトで多くのテンプレートが備わっているほか、図形や表の挿入機能も備わっており、さまざまな資料作りに役立ちます。下の図が実際にboardmixでペルソナテンプレートを作成したものです。

このペルソナテンプレートは表の挿入機能を使って作成しています。図の赤丸の部分をクリックすると表が挿入できるようになっており、文字の色やセルの色を変えることで、さらに見やすくなります。このようにboardmixには、さまざまな機能が備わっており、ペルソナテンプレートだけでなく、さまざまな資料や図を無料で簡単に作成が可能です。
調査メモからペルソナへ移すとき
発言をそのまま記録した欄、そこから読み取った困りごと、まだ確かめていない仮説を分けます。たとえば「昼休みが短い」という発言から、すぐに価格を気にしない人だとは判断できません。複数の利用者に共通する行動を整理し、次のインタビューで確かめる質問を残してください。
まとめ
作成したペルソナは、次の用途でチームと共有できます。
- ペルソナマーケティングは、ターゲットのユーザーを架空の人物像を詳細に設計し、マーケティング戦略を立てること
- ペルソナマーケティングの目的は主に3つある
- 調査結果から人物像を組み立て、利用者の反応に合わせて更新する
- 無料のツールboardmixを使うことでペルソナテンプレートを簡単に早く作成可能
人物像を共有した後は、実際の利用者の声と照らし合わせて更新します。対象の人、困りごと、その根拠が分かる形にしておくと、施策を選ぶときの議論に使えます。