導入部
プロジェクトマネージャーは、プロジェクトの進捗を管理するだけでなくトラブル発生時の対処やクライアントへの対応、人員や経費の確保など様々な業務を請け負わなければなりません。状況によっては、複数のプロジェクトを同時に請け負う場合もあるでしょう。そんな多忙を極めるプロジェクトマネージャーの皆さんにとって、少しでも役立つ用語や管理手法などの情報をまとめてみました。ぜひ活用してみてください。
プロジェクト管理用語12選
1.PMO
PMOとは「Project Management Office」の略で、「プロジェクト管理組織」などの意味があります。PMOはプロジェクト管理を専門的に行う組織(部署・部門)を指し、プロジェクトに関する業務全般を執り行います。
2.WBS
WBSとは「Work Breakdown Structure」の略で、「作業分解構図」などの意味があります。プロジェクトをツリー状で表した構成図を指し、構成を可視化することで作業の明確化やスケジュール管理に活用します。WBSはガントチャートなどと併用することが可能で、作業スケジュールと担当者を可視化できます。
3.OKR
OKRとは「Objectives and Key Results」の略で、「目標と主要な結果」という意味があります。OKRは組織全体の目標を達成するために、「Objectives(達成目標)」と「Key Results(主要な成果)」をリンクさせた進捗管理と評価です。近年、世界的な大企業にも採用され、注目度が高まっている管理方法です。
4.PPM
PPMとは「Project Portfolio Management」の略で、日本語では「ポートフォリオ」とも言われます。ポートフォリオを直訳すると「書類入れ」などの意味があり、金融機関や投資家などが所有する「金融資産の一覧表」のことを指します。PPMはプロジェクト単体ではなく、複数のプロジェクトを総合的に管理し、組織全体の利益や効率化を図る手法です。
5.KGI
KGIとは「Key Goal Indicator」の略で、「重要目標評価指標」の意味があります。これはプロジェクト全体の目標だけではなく、タスクを担当する部署ごとの目標やプロジェクトの各参加メンバーの個人的目標などをすべて数値化したものです。
6.KPI
KPIとは「Key Performance Indicator」の略で、「重要業績評価指標」との意味があります。KPIはKGIをどの程度達成しているのかを測る指標です。KPIを用いることでプロジェクト全体の進捗状況がより明確となり、把握や情報共有が可能となります。
7.EVM
EVMとは「Earned Value Management」の略で、EV(出来高)、PV(計画価値)、AC(実コスト)などの要素に基づき、プロジェクトを「時間」ではなく「コスト」により進捗管理する手法です。
8.CCPM
CCPMとは「Critical Chain Project Management」の略で、プロジェクト管理方法のひとつです。プロジェクトのスケジュールや予算をギリギリまで抑え、プロジェクト・バッファという「余裕」を設けておく手法です。
9.CMMI
CMMIとは「Capability Maturity Model Integration」の略で、組織のプロジェクト管理能力をレベル1からレベル5までの5段階にわけて評価したもので「能力成熟度モデル統合」とも言われます。米カーネギーメロン大学CMMI研究所が開発し、公表している手法です。
10.EPM
EPMとは「Enterprise Project Management」の略で、エンタープライズとは「企業」「事業」「企画」などの意味を持つ単語です。企業内で同時に進行している業務を一つのプロジェクトとして管理する手法を指します。
11.KSF
KSFとは「Key Success Factor」の略で、「重要成功要因」という意味があります。KSFはプロジェクトを達成させるために何が必要かを定めたもので、CSF(Critical Success Factor)とも言います。例として、「コンビニの品揃え」「製造工場の技術力」「接客業の顧客対応力」などがKSFに当たります。
12.PL
PLとは「Project Leader」の略で、そのまま「プロジェクトリーダー」のことを指します。PM(プロジェクトマネージャー)がプロジェクト全体を統括する責任者なら、PLはPMの下で各チームの実作業や進捗などを管理する役割に当たります。PMよりも、現場に近い管理者と言えます。
プロジェクト管理手法8選
1.アジャイル
アジャイルは「すばやい」や「俊敏な」などの意味があり、プロジェクトの行程を繰り返し細分化することでリスクを軽減させる手法です。プロジェクト管理の手法の中で、最もポピュラーな管理方法です。
2.ウォーターフォール
ウォーターフォール(Waterfall)とは、直訳すると「滝」を意味するシステム開発手法です。滝のように、上流から下流にそって流れるようにプロジェクトを進めていきます。
3.スクラム
スクラム(Scrum) とは前述したアジャイルのひとつで、チーム別に「スプリント」という短期間の開発工程を繰り返し行うフレームワークのことです。組織内の意識統一を図ることができます。
4.カンバン
カンバン方式は日本企業トヨタ自動車が開発した手法です。実際のホワイトボードや電子版のボードをタスクや進捗状況で区切り、それぞれ実行するタスクを付箋などで表示したものです。手法としては非常にシンプルですが、各タスクの状況を一目で把握することが可能で、チーム間の連携やコミュニケーションを向上させることも可能です。
5.シックスシグマ
シックスシグマ(6σ)は品質管理に使用される手法で、シグマとは標準偏差を示す単位のことです。シックスシグマとは、100万回のうち不具合が3〜4回を超えないように商品を管理する手法を言います。手法というよりも、概念に近いかもしれません。
6.スクラムばん
スクラムばんは、「スクラム」と「かんばん」という 2つの手法を組み合わせたプロジェクト管理方法です。スクラムばんは、スクラムのようなスプリントによる工程の繰り返しに、カンバンのようなタスク単体を組み込んでプロジェクトを構築することです。
7.リーンプロジェクト
リーンプロジェクト(lean production)とは、プロジェクトの無駄を省き、顧客のリアクションを素早く商品やサービスに反映させ、商品の価値を高める管理手法です。リーンプロジェクト管理でいう無駄とは、主に「無駄」「ムラ」「無理」という「3つのM」で、この3つを排除してプロジェクトの円滑な進行と効率化を図ることが主な目的です。
8.クリティカルパス法
クリティカルパス法(Critical Path Method, CPM)とは、プロジェクトを完遂させるための重要なタスクを特定する手法です。タスクを時系列で並べ、最も時間を要するタスクをクリティカルパスと呼びます。クリティカルパスを洗い出すことで、最も時間のかかる重要なタスクを把握し、共有することが可能です。
プロジェクト管理ツール比較5選
プロジェクト管理に利用できるツールや、それぞれのメリット・デメリットと共に紹介します。
内容を把握し、プロジェクトや環境に最も適したツールを活用しましょう。
まとめ
プロジェクトマネージャーの仕事は多岐に渡り、大きなプレッシャーを抱えることもあります。だからこそ、一つ一つの業務を効率的に行い、負担を軽減することはとても重要です。様々な手法やツールを活用し、プロジェクトの完遂を目指しましょう。