導入部
クラウドコンピューティングサービスをご存じでしょうか?ネットを経由してコンピュータの機能を利用するサービスです。聞き慣れない言葉かもしれませんが、実は知らないうちにすでに使用しているでしょう。今回はクラウドコンピューティングサービスの中で、システムやネットワークを構築する際に役立つAWSによる構成図を解説します。AWS構成図を通して、独自のシステムを作り上げましょう。
AWS(アーキテクチャ)とは
AWSとはAmazon Web Servicesの略で、世界最大のショッピングサイトAmazonが提供している100を越えるクラウドコンピューティングサービスの総称です。クラウドコンピューティングとは、インターネットを介して利用できるさまざまなサービスを指します。「Gmail」や「Microsoft Office365」などが一般的なクラウドコンピューティングサービスになります。
AWS構成図
1.AWS構成図とは
AWS構成図とは、AWSでネットワークを構築する際に使われる設計図のようなものです。システムやネットワークを視覚化することで、他者との共有や分析が簡単になり、業務を円滑に進めるようになります。
2.AWSのメリットとデメリット
〇メリット
・コスト削減
ユーザー本人がサーバーを構築する際、ハードウェアやソフトウェアを用意しなければならず、初期投資としてコストがかかります。AWSであれば、PCとネット環境さえ整っていれば利用できるため、初期コストを大幅に抑えられます。
・高いセキュリティレベル
AWSは高度なセキュリティを有し、政府機関や金融業界にも利用されるほどの高い信頼性を誇ります。大手クラウドサービスの中でも、セキュリティレベルはトップクラスと言っても過言ではありません。
〇デメリット
・多様なサービスが混乱を招く
AWSでは、さまざまなサービスが利用できます。しかしサービスの数が膨大であるがゆえに、本当に適切なサービスを選択するためには少なからず知識が必要です。特に初心者にとってはハードルが高く感じるかもしれません。初期コストを抑えても、無駄なサービスを購入すれば結果的にコストを増やしてしまい、せっかくのメリットを無駄にしてしまう恐れがあります。
・ダウンタイムへの対策
アプリゲームなどでメンテナンスやアップデートが発生した場合、作業中はゲームが遊べなくなってしまいます。サービスを利用できない時間をダウンタイムと呼び、AWSにも存在します。そのため業務が滞ることがないよう、予め冗長化などの対策が必要です。
AWS構成図の書き方
1.アイコン例
AWS構成図は用途ごとにアイコンを使い分けることで、よりわかりやすい図に仕上げることが可能です。そんなアイコンの例をご紹介します。
■コンピューティング
■ストレージ
■ネットワークとコンテンツ配信
■データベース
■分析
■ビジネスアプリケーション
■管理と監視
■セキュリティ・アイデンティティー・コンプライアンス
2.AWS構成図の書き方
以下にAWS構成図の書き方を4つのステップでご紹介します。
①アイコンの準備
構成図で使用するアイコンを用意します。AWSは無料でアイコンを提供しているため、ダウンロードして使用しましょう。
②構成図を作成するツールを選ぶ
構成図を手書きで作成するのは手間がかかり、多くの時間を必要とします。専用ツールを使用すれば、作成する時間を大幅に軽減できる上、より洗練された構成図に仕上げることができます。
③構成図を書く
アイコンとツールを準備したら構成図を描いていきます。まずはイメージした構成を大まかに描き、できあがりを確認しましょう。ロジックなどに誤りがあれば、その都度修正していきます。
④構成図にアイコンを配置する
描いた構成図に、準備していたアイコンを配置します。アイコンの種類と構成図の流れに間違いがないか、確認しながら配置していきます。わかりやすい構成図にするため、テキストなどを挿入するのも効果的です。完成後に見直し、より良い構成図に仕上げていきましょう。
3.AWS構成図の自動生成
AWS構成図の作成ツールには、自動配置や自動整列などの機能が搭載されているものがあります。構成図を手動で作図すれば手間がかかりますが、自動で作成や更新ができればコストやリスクを軽減することが可能です。
AWS構成図作成ツール、おすすめ5選
AWS構成図を作成するツールはさまざまですが、大切なことはユーザーがイメージしたものを正確に表現できるか、そして、他者から見ればわかりやすい構成図を作成できたかどうかです。特に業務でAWS構成図を作成する場合、共有を目的として作成する場面も多く、わかりやすい表現はとても重要です。そして、わかりやすい構成図の作成には、自身が感じる「使いやすさ」も大切な要素になります。それから、おすすめ構成図作成ツールを紹介します。それぞれの特徴を把握し、最適なツールを選択しましょう。
1.Microsoft PowerPoint
構成図のみならず、業務で使用する作図ツールの中で最も知名度が高いといえるものが「Microsoft PowerPoint」です。一般的にパワーポイントとも呼ばれます。無料で使用できる上、テンプレートを活用すれば、作図全般の課題である「わかりやすい構成図」を作成することができます。
https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365
2.Cloudcraft
「CloudCraft」はブラウザ上で使用するAWS構成図作成ツールです。3Dによる立体的な構成図が作成可能で、平面の構成図とは違ったアプローチで表現し、共有することができます。操作はシンプルで、直感的に構成図を作成することもできるので、初心者でも始めやすいツールです。無料プランは一部の機能しか使用できないため、業務などで使用する場合は有料プランがおすすめです。
3.Draw.io
「Draw.io」とは、構成図のみならずフローチャートやワイヤーフレームなど、多様な作図が可能なツールです。特にフローチャート作成に適しており、豊富なアイコンを利用することができます。手軽に作図してみたい方におすすめです。図はGoogleドライブに保存可能で、Googlechromeで使用できます。
4.Cacoo
国内サービスの「Cacoo」は公式サイトが日本語で、海外サービスの多い作図ツールの中では機能を理解しやすく、安心して利用できるのが大きな特徴です。「英語がわからない」「海外サイトのツールは難しそう」といったユーザーにおすすめです。多くの機能を有し、初心者から熟練者まで幅広いニーズに応える人気ツールです。
5.BoardMix
BoardMixはクラウドを利用し、リアルタイムでの情報共有・共同作業を可能にしたツールです。多彩なテンプレートがあり、様々な状況に合わせ効果的な図を作成することができます。AWS構成図は勿論、フローチャートやワイヤーフレームなどの作成も可能です。BoardMixは基本無料で使用できるため、初めての方でも安心して始めることができます。
まとめ
昨今、クラウドコンピューティングは多くの人々が気軽に使用できるサービスになっています。そのメリットを最大限に活かし、AWS構成図などの作成に活用しましょう。また構成図はさまざまなツールで作成することができるため、自身の環境やスキルなどを考慮して適切なツールを利用し、業務などに活かしてみてください。