コカ・コーラと聞いて、ロゴや赤いパッケージを思い浮かべない人はいないでしょう。世界中のコンビニや自動販売機で見かけるこのブランドは、1886年の誕生からおよそ140年かけて、世界最大級の飲料メーカーへと成長してきました。日本でも1957年に日本コカ・コーラ株式会社が設立されて以来、私たちの生活にすっかり根づいています。
コカ・コーラの事業は多くの国と地域に広がり、ブランドを管理するThe Coca-Cola Companyと、飲料の製造・販売・流通に関わるボトリングパートナーが役割を分担しています。組織を理解するときは、どの法人と地域についての資料なのかを区別することが重要です。

コカ・コーラという会社について
コカ・コーラ・カンパニーは、1886年にアメリカ・ジョージア州アトランタで薬剤師のジョン・ペンバートン氏が開発した飲料をルーツに持つ会社です。現在も本社はアトランタに置かれており、非アルコール飲料の分野では世界でもトップクラスの企業として知られています。
コカ・コーラ、ファンタ、スプライトなどの炭酸飲料のほか、水、ジュース、スポーツドリンクなどを展開しています。商品構成や地域別の事業内容は、同社の2025年年次報告書で確認できます。
これだけ幅広い商品ラインナップを、地域ごとの好みに合わせながら世界中で展開できているのは、強力なマーケティング力に加えて、意思決定の仕組みがしっかり整理されているからだと言えます。次の章から、その仕組みを具体的に見ていきましょう。
組織の役割を3つの層で整理する
役割を整理するために、以下では経営層・管理職層・現場層という一般的な区分を使います。これは同社が公開した正式な指揮命令系統を再現した図ではありません。2026年10月2日時点の公式リーダー紹介では、CEOはHenrique Braunです。最新の役員や担当範囲は公式資料を参照してください。

経営層(役員クラス)
組織図のいちばん上に位置するのが経営層です。会社全体の方向性を決め、重要な経営判断を下す役割を担います。
- CEO(最高経営責任者):会社全体の経営に責任を持つ、いわば船の舵を取る立場です。事業戦略の決定から、投資家への説明、グループ全体のかじ取りまで、その責任範囲は非常に広くなっています。
- 各部門の責任者(ディレクター):生産、財務、マーケティングなど、それぞれの分野を統括する立場の人たちです。CEOが決めた方向性を、実際の業務に落とし込む橋渡し役とも言えます。
管理職層(部長・課長クラス)
経営層の下には、日々の業務を実際に管理する層があります。経営層が決めた目標を、現場で達成できる形に組み立てていくのがこの層の仕事です。
- ゼネラルマネージャー:担当する地域や部門全体の運営を任される立場です。たとえば日本市場やアジア太平洋地域といった単位で、事業運営全般に責任を持ちます。
- 部門マネージャー:もう少し細かい単位、たとえば生産ラインの一つや、特定の商品カテゴリーといった範囲を担当します。
現場層(実務担当クラス)
組織図のいちばん下にあたるのが現場層です。工場での製造、物流、店頭営業、カスタマーサポートなど、会社を実際に動かしている人たちがここに含まれます。派手さはありませんが、この層がしっかり機能していないと、どんなに立派な経営戦略も絵に描いた餅になってしまいます。
飲料事業で使われる役職の一般例
以下は、飲料事業の組織を考える際に用いられる役割の一般例です。実際の役職名、担当範囲、報告先は法人や地域で異なります。本社の役員とボトラーの工場責任者を、一つの公式組織図として結び付けないようにしましょう。

社長
会社全体を率いる立場で、グローバル規模での事業運営全体に目を配ります。中長期的な成長戦略を描き、ブランドの拡大や新市場への進出を主導するのが主な役割です。数字の管理だけでなく、会社としてどこに向かうかを決める、いわば羅針盤のような存在です。
副社長
社長を支え、社長が対応しきれない部分を代わりに引き受ける立場です。単なる補佐役にとどまらず、長期戦略の立案や実行にも深く関わることが多く、社長と現場をつなぐ重要なポジションでもあります。
生産責任者
製品づくりの現場を統括する役職です。決められた品質基準を満たしながら、決められた納期に間に合うように生産を進める。この当たり前のことを、世界中の工場で一貫して実現するのが仕事です。生産ラインのトラブルや原材料の調達状況にも常に目を配っています。
工場運営責任者
各地の生産設備の管理・運営を担当します。機械のメンテナンスから人員配置まで、工場を安全かつ効率的に動かし続けるためのノウハウが求められるポジションです。生産責任者と連携しながら、現場レベルでの改善を積み重ねていきます。
資材・資源管理責任者
製品づくりに必要な原材料や設備、資金といった「資源」の管理を担当します。足りなければ生産が止まってしまいますし、余分に抱えすぎればコストがかさむ。このバランスを取ることが、この役職のいちばん難しいところです。
品質管理責任者
コカ・コーラの味や品質を、どの国のどの工場で作っても一定に保つための役職です。生産責任者と緊密に連携し、原材料のチェックから出荷前の最終確認まで、細かい基準に沿って品質を確認していきます。消費者が「いつものコカ・コーラ」を安心して飲めるのは、この地道なチェック体制のおかげとも言えます。
財務責任者(CFO)
会社のお金の流れ全体を見る立場です。予算の管理、資金調達、リスク管理など、経営判断を数字の面から支える役割を担います。新しい設備投資や海外展開の判断にも、財務責任者の分析が大きく関わってきます。
マーケティング責任者(CMO)
広告戦略やブランド施策を主導し、売上とブランドイメージの両方を高めていく役職です。コカ・コーラのロゴやボトルの形が世界中で一目でわかるブランドとして定着しているのは、長年にわたるマーケティング施策の積み重ねによるものです。時代の変化に合わせて、常に新しいアイデアを打ち出し続けることが求められます。
人事責任者
社員が働きやすい環境を整える役割です。採用から研修、労務管理まで幅広くカバーし、組織全体のパフォーマンスを人の面から支えます。どれだけ優れた戦略があっても、それを実行する人材が育っていなければ意味がありません。
こうして見ると、それぞれの役職が独立して動いているわけではなく、互いに情報をやり取りしながら会社全体を前に進めていることがわかります。
部門・事業部ごとの役割分担
先ほど紹介した役職は、それぞれ対応する部門やチームを率いています。ここでは部門単位で、もう少し業務の中身を見ていきましょう。
生産部門:生産責任者のもとで、製品の製造工程全体を管理します。品質基準を満たしつつ、決められたスケジュールで製品を市場に送り出すことがミッションです。
工場運営部門:工場運営責任者が統括し、各地の生産設備を効率よく動かし続けるための保守・運用を担当します。
資材・資源管理部門:資材・資源管理責任者のもと、製品づくりに必要な原材料や資金を過不足なく手配します。
品質管理部門:品質管理責任者が率いる部門で、社が定めた品質基準をすべての製品が満たしているかを確認する役割です。
財務部門:財務責任者のもとで、会社全体のお金の流れを管理します。
マーケティング部門:マーケティング責任者が主導し、広告や販促のアイデアを企画・実行して、売上とブランドイメージの向上を目指します。
人事部門:採用から研修、労務管理まで、社員の働きやすさを支える部門です。
こうした部門が縦割りでバラバラに動くのではなく、互いに連携しながらひとつの会社として機能している。これがコカ・コーラのような大企業が世界規模で事業を回せている理由のひとつです。

Boardmixのテンプレートで組織図を作ってみる
自社の組織図を整理したいと思っても、いざExcelやパワーポイントでゼロから作るのは意外と手間がかかるものです。そこでおすすめなのが、オンラインホワイトボードツール Boardmix の組織図テンプレートです。ドラッグ&ドロップの感覚で階層構造を組み立てられるので、初めて使う人でも直感的に操作できます。

作り方の流れはシンプルで、次の3ステップで進められます。
1. 経営層を配置する:まずは組織図のいちばん上に、CEOや各部門の責任者を並べます。ここが会社全体の意思決定の起点になります。
2. 管理職層を追加する:各責任者の下に、ゼネラルマネージャーや部門マネージャーを紐づけていきます。誰がどの範囲を管理しているのかが、この段階で一気に見えるようになります。
3. 現場層を積み上げる:最後に、各マネージャーの下に実務を担当するチームやポジションを追加します。ここまで組み立てると、経営層から現場まで一気通貫した組織図が完成します。
一度テンプレートを作ってしまえば、人事異動や組織変更があっても、該当箇所を差し替えるだけで済むのも便利なポイントです。紙やスライドで作り直すより、はるかに手間がかかりません。

組織図が経営にもたらす効果
ここまで役職や部門の話をしてきましたが、そもそもなぜ組織図をきちんと整えることが、会社の成長にとって大事なのでしょうか。コカ・コーラのケースを踏まえて、いくつかの観点から整理してみます。
業務範囲がはっきりする:
誰が何を担当しているかが明確になっていれば、同じ作業を複数の部署が重複してやってしまうといった無駄が減ります。生産部門は製品づくりに集中し、資材管理部門はその裏側で必要な資源をそろえる。役割がかぶらないからこそ、それぞれが自分の仕事に専念できます。
部門をまたいだ連携がしやすくなる:
マーケティング部門が新しいキャンペーンを企画する際には、生産部門がどれだけの数量を対応できるかを事前に把握しておく必要があります。組織図で指揮系統が見えていれば、どの部署の誰に相談すればいいかがすぐにわかり、部門間のやり取りがスムーズになります。
意思決定のスピードが上がる:
誰にどこまでの決裁権があるのかがはっきりしていれば、いちいち確認を取らなくても現場レベルで判断できることが増えます。逆に権限があいまいだと、簡単な判断にも時間がかかってしまいがちです。
改善すべき点が見えやすくなる:
組織全体を俯瞰できる状態になっていると、どこの部署に人手が足りていないか、どのプロセスが非効率になっているかといった課題も見つけやすくなります。
こうして見ると、組織図は単に「誰が誰の上司か」を示す資料ではなく、会社が効率よく、かつスピーディーに動くための土台になっていることがわかります。コカ・コーラほどの規模の会社が長年にわたって成長を続けてこられた背景には、こうした地道な組織設計の積み重ねがあるのでしょう。
まとめ
自社の組織図を作るときは、まず対象の法人と部署、資料の時点を明記します。役職名だけでなく担当範囲と報告先を確かめてから配置すると、実際の業務で使える図になります。
自社の組織を見直したい、あるいはこれから組織図を作ってみたいという方は、Boardmix のようなツールを使うと、思っている以上に手軽に着手できます。まずはテンプレートを開いて、自社の経営層から一つずつ配置してみることから始めてみてはいかがでしょうか。