MiroとFigJamを選ぶときは、日々の共同作業に使いやすいかと、組織のデータ管理条件を満たすかを分けて比較します。クラウドサービスで必要な管理機能を使う方法も、自社環境で運用する方法もあります。保存場所だけで安全性が決まるわけではありません。
用途と共同作業の違い
Miroでは、ワークショップ、図解、ロードマップなどを同じボードで扱えます。FigJamは、付箋や図形を使った議論と、Figmaで扱うデザイン資料の共有を組み合わせたい場合に候補になります。FigJamもデザイナー以外の振り返りや計画づくりに利用できます。
候補を試す際は、実際の議題と資料を一つ用意し、付箋の追加、図の編集、招待、コメント、会議後の共有を行ってみましょう。テンプレートの総数よりも、チームがよく使う形式が見つかるかが重要です。
外部サービスとの接続は、単なるリンク、埋め込み、データの同期でできることが異なります。Miro MarketplaceやFigJamの製品案内で対象の連携を確認し、必要な権限やプランを調べてください。


料金と管理機能を同じ条件で比べる
見積もりでは、編集するメンバー、閲覧中心の参加者、ゲストを分けます。Figmaではシートの種類によって使える製品が異なるため、全員に同じシートを購入する前提にせず、役割ごとに計算します。金額、請求周期、通貨と税の条件はMiroの料金ページとFigmaの料金ページで確認できます。
MiroのSSOはEnterpriseだけに限定されていません。公式のプラン別機能表ではBusinessにもSAML SSOが案内されています。Figmaの認証・管理機能についても、利用するプランの機能表を確認します。
| 比較する項目 | 見積もり・検証でそろえる条件 |
|---|---|
| メンバーとゲスト | 編集権限、招待できる範囲、課金対象 |
| AI機能 | 利用可能な機能、クレジットや利用上限 |
| 認証と権限 | SSO方式、グループ管理、公開リンクの制御 |
| 操作ログ | 記録対象、保存期間、管理者が取得する方法 |
安全性とデータの保存先を確認する
ISO/IEC 27001は情報セキュリティ管理の認証、SOC 2は管理策に関する監査報告、GDPRは個人データ保護に関する法令です。性質が異なるため、まとめて「セキュリティ認証」と呼ぶのは適切ではありません。認証や報告書があることだけで、あらゆる使い方の安全性が保証されるわけでもありません。
MiroとFigmaは、MiroのTrust情報、FigmaのTrust Centerで認証や管理策を公開しています。自社が必要とする範囲、報告書の対象期間、契約するサービスに適用されるかを確認します。
両製品にデータ保存先の選択肢がない、すべて米国に保存される、と一括りにはできません。MiroのデータレジデンシーとFigmaの地域別ファイルホスティングの案内で、利用可能な地域、対象プラン、保存対象のデータを確認してください。提供予定の地域と、契約して今使える地域も区別します。
保存場所の指定と、自社サーバーへのソフトウェア導入は別の仕組みです。バックアップ、サポート対応、認証、AI機能などに伴うデータ処理も、必要な範囲で確認することが重要です。
自社環境で運用する場合の考え方
社内規則から自社サーバーや専用環境での運用が必要なら、まずネットワークとデータの取り扱い要件を整理します。専用環境では設定の自由度が増える一方、権限の管理、更新、バックアップ、監視と障害対応の責任を明確にする必要があります。
OSSを使う方法もありますが、ライセンス条件、更新状況、必要な認証機能、運用担当者を個別に確認します。製品名だけで保守性や安全性を判断したり、人数だけを根拠に運用できないと決めたりするのは避けましょう。
Boardmixのプライベート導入を検討する
Boardmixはプライベートデプロイの案内を公開しています。自社環境でホワイトボードや図解機能を使いたい場合の候補になります。実際の構成、利用できる機能、サポート範囲は導入条件に合わせて確認してください。
SSOを使う場合は、対応プロトコル、ID基盤、権限の同期方法を事前にすり合わせます。Active DirectoryやLDAPと無条件に直接接続できるとは前提にしません。AIを使う場合も、モデルの実行場所、外部通信、入力データの扱いを確認する必要があります。
プライベートクラウドや社内ネットワークへの配置だけで「安全性100%」になるわけではありません。公開リンクの設定、退職者のアクセス停止、バックアップからの復元など、実際に必要な操作を検証します。

導入を進めるときの具体的な手順
1. 必要な作業と制約を決める
日々作成する資料、編集する人数、共有相手、扱うデータを整理します。「国内保存が必要」「社内認証を使う」など、満たす必要がある条件を明記してください。
2. 小さな範囲で試す
一つの部署で実際の資料を作り、招待、権限変更、ログ取得、書き出しを試します。共同編集の快適さは端末や通信環境、ボードの内容によって変わるため、本番に近い条件で確かめます。
3. 運用の担当と契約条件をそろえる
問い合わせ窓口、更新、障害時の連絡、退職時の資料移管を決めます。費用はライセンスだけでなく、導入と日々の管理も含めて比較しましょう。必要な条件を満たす候補から、チームが使いやすいものを選べます。