コンセプトマップに必要な概念がそろっていても、何を伝えたいのか分からないことがあります。「図書館」「利用者」「貸出記録」を箱に入れ、「関係がある」で結ぶだけでは、読者は関係を推測するしかありません。「利用者が資料を借りる」「貸出記録が返却期限を記録する」のように関係を一文で表すと、図の意味が伝わります。
コンセプトマップのテンプレートを土台に、二つの概念と、その間にある接続語を一つの文として読んでみましょう。難しい動詞を選ぶ必要はありません。説明する人が隣にいなくても、関係が具体的に伝わることが大切です。

一つのつながりを文として読む
人間・機械認知研究所(IHMC)は、接続語を、概念を結んで命題を作る語句と説明しています。身近な言い方なら、「利用者が資料を借りる」「貸出記録が返却期限を記録する」のように意味の通る文を作るということです。概念が名詞を担い、接続語がその関係を説明します。
矢印の向きに沿って読みます。「利用者が資料を借りる」は自然ですが、「資料が利用者を借りる」では意味が変わってしまいます。逆向きにするなら、「資料は利用者に借りられる」と受け身にすれば関係を保てます。ラベルと矢印の向きを一致させましょう。
最初に、図で答えたい問いを決めます。今回の例は「この図書館は、貸し出した資料をどのように管理しているか」です。この問いによって、「利用者」「資料」「貸出記録」が表す範囲が定まります。本の選び方を説明する図なら、必要な概念や接続語も変わります。
図書館のマップで見る六つの修正例
以下は架空の図書館の貸出記録を使った例です。すべての図書館が同じルールで運営されているという意味ではありません。それぞれ異なる問題を修正しているので、学習用の図、ビジネスモデル、技術説明にも同じ考え方を使えます。表は「概念→関係→概念」の順で示しています。文として読むときは「利用者が資料を借りる」のように助詞と語順を整えます。
| 曖昧なつながり | 修正したつながり | 修正のポイント |
|---|---|---|
| 利用者 → 関係がある → 貸出記録 | 貸出記録 → 借り手として記録する → 利用者 | 関係の存在だけでなく、どのような関係かを示します。 |
| 資料 → 一種である → 蔵書 | 資料 → 一部である → 蔵書 | 一冊の資料は蔵書に含まれますが、蔵書の種類ではありません。 |
| 資料 → 借りる → 利用者 | 利用者 → 借りる → 資料 | 借りる人から借りる物へ、動作に沿った向きにします。 |
| 貸出記録 → それを持つ → 返却期限 | 貸出記録 → 記録する → 返却期限 | 指すものが不明な代名詞を取り除きます。 |
| 督促通知 → 保証する → 返却 | 督促通知 → 利用者に求める → 返却 | 結果を保証せず、通知の目的を示します。 |
| 貸出記録 → 借りた人・資料・期限を記録する → 利用者 | 貸出記録 → 借り手として記録する → 利用者/貸出記録 → 特定する → 資料/貸出記録 → 記録する → 返却期限 | 三つの関係を、それぞれ読める三本のつながりに分けます。 |
修正には、言葉の置き換えだけでなく、ノードの変更や接続の分割が必要な場合もあります。「貸出詳細」に利用者、資料、返却期限がまとまっているなら、概要図では「含む」という一本の矢印で十分かもしれません。記録の仕組みを説明するなら、それぞれを独立したノードにします。
言葉を選ぶ前に関係を決める
「一種である」「一部である」「引き起こす」は、それぞれ別の関係です。取り違えると、見た目が整った図でも内容が誤ってしまいます。
- 分類:ある概念が上位の分類に属するなら「一種である」を使います。参考図書は本の一種です。
- 部分と全体:構成を説明するときは「一部である」「含む」を使います。章は本の一部です。
- 動作:誰が何をするかを動詞で表します。利用者は資料を借ります。
- 記録や説明:「記録する」「特定する」「説明する」などを使います。貸出記録は、借りられた資料を特定します。
- 条件:該当するルールを示します。たとえば、ある図書館では、他の利用者が予約していないことを貸出延長の条件にしているかもしれません。
- 原因や関連:根拠で裏付けられる関係だけを書きます。「関連がある」は「引き起こす」と同じではなく、「一因になり得る」にも根拠が必要です。
接続語の一覧は書き始める助けになりますが、関係が正しいかどうかは判断してくれません。文を言い切れないなら、接続線のそばに疑問を書いて資料を確認します。「影響する」「関わる」といった言葉で不確かさを隠さないようにしましょう。
修正した図書館のマップを組み立てる
今回の主題は貸出の記録なので、貸出記録を中央付近に置きます。そこから利用者、資料、返却期限へ接続します。資料の隣に蔵書を置き、「一部である」で結びます。最後に、利用者から資料へ「借りる」という接続を加えます。
各接続は別々の問いに答えます。誰が借りたのか。どの現物が貸し出されたのか。いつ返すのか。その資料はどこに属するのか。利用者と資料の接続は貸出記録を中心とした枝を横断しますが、単なる飾りではなく、意味のある関係を加えています。
ネットワーク全体を読む前に、一つずつ文として読み、その後で矛盾を探します。資料は貸出中かどうかに関係なく蔵書に属します。「貸出記録が蔵書を作る」と描けば、貸出という出来事と所蔵資料の構成を混同することになります。

Boardmixで接続を編集する
Boardmixのキャンバスに概念ごとの図形を作り、関係のある図形を線で結びます。短い接続語を線の上かそばに置きます。隣の線のラベルと取り違えないよう、対応する線に近づけてください。線が交差する箇所は、文字を小さくする前に配置を広げます。
確認済みの関係には共通の見た目を使い、未解決の疑問には別のメモを置きます。たとえば未確認の延長条件を完成したルールとして書く代わりに、接続のそばに「延長条件を確認」と記します。色は疑問を見つけやすくしますが、意味は言葉で伝えます。
説明を加えずに、別の人に一つの経路を声に出して読んでもらいましょう。足りない動詞を補ったり、頭の中で矢印を逆にしたりする必要があるなら、その接続を直します。文は理解できても内容に異論があるなら、次に確認するのは配置ではなく主張の根拠です。
Boardmixのボードを開き、自分の図で曖昧な二つの概念から始めてみましょう。先に関係を一文で書き、その文を図に戻します。