ユーザーリサーチの分析フレームワークは、インタビューメモから共通するテーマを見つけ、次の判断につなげるための枠組みです。何を観察したのか、どのようにパターンを見つけたのかを残しておくと、結論を見直すときも根拠に戻れます。調査計画から始める場合は、ユーザーリサーチ計画テンプレート(英語)も参照してください。

インタビューメモをコード、テーマ、プロダクトの改善判断へ整理する流れ
メモを整理し、共通するテーマから次に検証する課題を見つけます。

1. 分析で答える問いを決める

メモにコードを付ける前に、分析で何を判断したいのかを一文で書きます。たとえば「オンボーディングのどの問題を次に検証するか」という問いです。対象ユーザー、プロダクトの範囲、判断の対象期間も明記します。興味深いだけで意思決定につながらない観察に、分析が広がりすぎるのを防げます。

最初に整理する四つの項目

  • 問い:まだ決まっていないことは何か。
  • 根拠:どのインタビュー、タスク、資料を分析するか。
  • 制約:今回の検討では変更できないことは何か。
  • 成果物:プロダクト、デザイン、サポートの担当者へ何を渡すか。

2. メモの形式をそろえる

各メモを、短い観察内容、参加者の状況、参照元に分けます。参加者の言葉と調査者の解釈は混ぜません。「変化が見えなかったので、2回クリックした」は参加者の発言です。一方、「画面のフィードバックが不足している」は、その発言から考えた、検証すべき仮説です。

意味のある観察一つにつき、カードを一枚使います。インタビュー番号やタスク名を添え、共有ボードには個人を特定できる情報を載せないようにします。

3. 話題だけでなく行動にコードを付ける

コードとは、メモの内容を短く表すラベルです。「状態を探す」「同じ手順を繰り返す」「確認を求める」「エラー後に離脱する」など、行動を表すコードから始めます。「ダッシュボード」「通知」といった話題名は分類には便利ですが、何を変えるべきかまでは分かりません。根拠があれば、一つのメモに複数のコードを付けても構いません。

一通り分類したら重複するコードをまとめ、それぞれに一行の定義を添えます。ほかの調査者も同じ基準で使えるようにすることが目的です。

4. 観察をまとめ、テーマを言葉にする

似た行動やニーズを示すメモをまとめます。テーマは、状況とその結果が分かる文で書きます。たとえば「招待が送信されたか分からないため、ユーザーが同じ操作を繰り返したり、同僚に確認したりする」です。「使いにくいUI」だけでは、根拠も次に取り組むべきことも伝わりません。

テーマを裏付けるメモだけでなく、当てはまらないメモや未確認の点も残します。どこまでが今回の根拠から言えることなのかを区別してください。

5. テーマから改善の問いを作る

各テーマを「操作を増やさずに、招待の状態を伝えるにはどうすればよいか」のような問いに変えます。解決策を先に決めなければ、後で複数の案を比較できます。次の検証内容と担当者も記録します。

たとえば、次のように整理できます。

テーマ根拠改善の問い次の検証
招待の状態が分かりにくい二つのタスクにまたがる3件のメモ招待の状態をどう伝えるか状態表示のプロトタイプを試す
次の行動が分からないデータがない初期画面での2件のメモ最初の一歩をどう案内するか案内文を2案比較する

6. 判断する前に不確実な点を確認する

優先順位を決める前に、どのような情報があれば解釈が変わり得るかを考えます。調査の設計に沿って、参加者の状況、タスク、ユーザー層ごとの違いを比較します。少人数の調査や、特定の条件で参加者を選んだ調査の結果を、そのまま全ユーザーの割合として扱うことはできません。未解決の問いと、それに答えるために必要な情報を残します。

Boardmixのキャンバスで、招待時の観察をコード、テーマ、次の検証につなげた例。
元の観察をコード、テーマ、次の検証へとつなげます。

7. Boardmixで分析ボードを作る

上部に分析の問いを置き、その下に「根拠」「コード」「テーマ」「改善の問い」「判断」の列を作ります。元のメモとチームの解釈を色で分け、凡例を添えると、説明を聞いていないメンバーも読み取れます。該当するカードに元メモへのリンクを残し、確認が必要な点はコメントに書きます。

テーマについて合意できたら、その根拠と次の検証の担当者を記録します。発言から次の行動までを一つのボードでたどれるようにしつつ、元のメモも参照できる状態にしておきます。

Boardmixのキャンバスを開く

分析結果として残すもの

  • 分析で答える問いと、その対象範囲。
  • 定義と参照元を添えたコードの一覧。
  • 観察できる状況と結果を表したテーマ。
  • 根拠、未確定の点、担当者を添えた改善の問い。
  • 優先して取り組む課題ごとの次の検証。