フローチャートの結合子は、長い矢印を引くと図が読みにくくなるときに、流れの続きがどこにあるかを示す記号です。同じ図の中で離れた場所へつなぐ場合はページ内結合子を、別のページへ続く場合はページ間結合子を対にして使います。結合子が変えるのは読み進める場所であり、判断や終了を追加したり、必要な手順を省略したりするものではありません。

次の手順がすぐに分かるなら、まず普通の矢印でつなぎましょう。線が複数の分岐を横切ったり、ページの外へ出たりするときは、結合子を使うと流れを追いやすくなります。Boardmixのフローチャート作成ツールでは、工程を複数のエリアに配置し、対応するラベルを付けて、一枚のキャンバス上に全体の流れを整理できます。

対になる結合子で、一つの工程の離れた部分をつなぐフローチャート
次に行う処理を変えずに、別の場所へ流れをつなげられます。

結合子と流れ線は役割が違う

作図ツールでは、図形同士を結ぶ線も「コネクタ」と呼ばれます。一方、フローチャートの記法には、同じラベルが付いた別の場所へ読み手を導く小さな参照記号があります。図を変更する前に、線としてのコネクタと、参照記号としての結合子を区別しましょう。

  • 流れ線:矢印で、ある手順から次の手順へ進む方向を示します。
  • ページ内結合子:ラベルの付いた小さな円で、同じ図の別の場所にある同じラベルの円へつなぎます。
  • ページ間結合子:一般に五角形で表す記号で、別のページにある続きを示します。移動先のページ名や図の名前も添えると、その記号だけを見ても行き先を判断できます。

Microsoftの基本フローチャートガイド(英語)では、長い線では流れを追いにくくなる場合に使う小さな円として、ページ内参照を説明しています。同社のフローチャート教材(英語)でも、同じラベルを使って同一ページ内と別ページへの接続を区別しています。これは図の読み方を示す記法です。記号を描くだけで、クリックできるリンクが自動的に作られるわけではありません。

配置を変えても、一続きの工程は変えない

返品申請の審査を例に考えます。この例は、申請内容の確認が済んだところから始まります。担当者が申請を審査し、判断に応じた案内を準備して、申請者に通知します。終了点は通知までで、返金や商品の返送完了までは含めません。

共通の流れ:申請確認済み → 返品を審査 → 承認する?

  • はい:返品案内を準備 → 申請者へ通知 → 終了。
  • いいえ:却下理由を記録 → 申請者へ通知 → 終了。

承認基準は、この工程を使う組織が定めるものです。この図が返品の対象条件や期限、返金を約束することはありません。ここでは「返品を審査」から「承認する?」までの長い接続だけを変えます。二つの判断結果と、その後の処理は元の流れのまま残します。

ページ内の例:長い線をAとAの対に置き換える

大きな図の左側に審査の手順、右側に判断後の流れを配置したとします。両者を直接つなぐ矢印が、中央にある別の資料を横切ってしまう場合です。「返品を審査」の後にAと書いた小さな円を置き、右側の「承認する?」の前にもAの円を置きます。

返品の審査から承認判断までを対になるAの円でつなぎ、はいといいえの両方が申請者への通知と終了へ進む図
送り出し側のAから、同じ図にある受け側のAへ流れが続きます。原寸の図を見る。

矢印の向きも明確にします。「返品を審査」から最初のAへ矢印を入れ、もう一方のAから「承認する?」へ矢印を出します。二つの円の間に長い線を追加する必要はありません。それでは、結合子を使って線を省いた意味がなくなります。

「はい」「いいえ」は、判断から出る矢印に付けたままにします。Aは続きの場所を示すラベルであり、三つ目の判断結果ではありません。全体を順にたどると、申請確認済み、返品を審査、Aへ続く、承認を判断、結果に応じた案内を準備、申請者へ通知、終了となります。

ページ間の例:R1と移動先のページ名を使う

同じ工程を別のページへ続ける場合は、ページ内結合子の対をページ間結合子の対に変えます。送り出し側にR1と書き、「2ページ目『判断と対応』へ続く」と添えます。2ページ目には同じR1を置き、「1ページ目『審査』から」と示します。続きは、一本の矢印でつないでいた場合と同じ承認判断へ進みます。

対になるR1の結合子と移動元・移動先のページ名で、返品審査の流れを1ページ目から2ページ目へつなぐ図
ページ名で続きの場所を示し、R1でどの接続かを特定します。原寸の図を見る。

「次のページへ」だけでは、ページの順番が変わったり、一枚だけ共有されたりしたときに行き先が分からなくなります。変更されにくい図の名前と接続IDを併記すると、読み手が続きを探しやすくなります。印刷物にも両方を載せましょう。デジタル文書ではリンクが移動を助けますが、画像として書き出しても意味が通る参照表示が必要です。

無限キャンバス上では、隣り合う二つのエリアに見出しを付けただけで別ページになるわけではありません。一続きの図にはページ内の記法を使います。移動先が別の文書にある場合や、工程を明示的に別ページへ分けて提示する場合は、図名やページ名を付けた参照を使いましょう。

流れを途切れさせる四つの間違い

  1. 対応するAがない。続きがあるはずなのに、読み手が移動できません。終了記号を足すのではなく、本来の次の手順を確認して、対になる結合子を戻します。
  2. 別々の接続に同じIDを使う。Aの移動先が二つあると、次に進む場所が曖昧になります。異なる接続にはA、Bのように別のIDを付けます。
  3. 両方の結合子に矢印が入っている。どちらにも到着できますが、その先へ出られません。この例では、受け側の結合子から「承認する?」へ進む矢印が必要です。
  4. 必要な手順を飛ばしている。R1から直接「申請者へ通知」へ進めると、承認判断と案内の準備が抜けてしまいます。共有前に、分けた図と元の一続きの工程を照らし合わせます。

ページの参照とサブプロセスも別のものです。「返品を審査」の詳細を独立した手順として展開する場合は、複数の内部手順を一つの作業名でまとめています。結合子は、既にある流れを別の場所で再開するだけです。工程の詳しさを分けたいときは、複雑なフローチャートを整理する実例(英語)を参考にしてください。

Boardmixで対になる結合子を配置する

キャンバスに審査エリアと判断エリアを配置し、それぞれ単独でも読める余白を取ります。まず通常の処理と承認・却下の両方の流れを描きます。その後、読みにくい接続だけを対になる結合子へ置き換え、図形と文字で移動先を示します。

配置を調整している間は、元の短い工程の並びを図の横に残しておきましょう。説明を加えずに、チームの人に承認のルートと却下のルートをたどってもらいます。異なる対応の手順を経て、同じ通知の処理へ到着できるかを確かめます。どのAやR1へ進むのか迷う場合は、ラベルや配置を見直します。

ほかの図形を選ぶときは、フローチャートの記号ガイド(英語)を参照できます。小さな工程なら、使う記号は少数で十分です。結合子だらけにするより、読みやすい矢印でつなぐ方が適しています。Boardmixを開き、本当に追いにくい接続だけを置き換えて、残りの工程はそのまま活かしましょう。