チーム間のコラボレーションは、組織の目標を効率的に達成するための理想的な方法です。しかし現実には、言うは易く行うは難し。1つのプロジェクトに複数のチームや部門が関わっている場合、誰が何をしているのかを管理するのは一苦労です。複雑なプロセスやプロジェクトで効率的なワークフローを実現するには、視覚的なツールを採用するのが得策です。この記事を読んで、スイムレーンチャート構築の選択肢を探ってみましょう。

スイムレーン図とは?

スイムレーン図は、プロセスの特定の部分の責任者を示すフローチャートです。プールのレーンの概念に基づき、グループや組織全体の職務やタスクを表すことから、スイムレーンと呼ばれるのです。

スイムレーンのフローチャートは、横にも縦にも配置できます。スイムレーンのフローチャートでは、特定のプロセスの責任が図示されているため、チームや組織は、より良いコミュニケーションと効率的なプロセスを実践することができます。

スイムレーン図の歴史

スイムレーン図とは何かを知るためには、その起源を知らなければなりません。スイムレーン図と同じコンセプトのフレームワークが1940年代に登場しました。これは、今日多くの人が複数のユニットで進行するプロセスを説明するために使用しているものと似ています。

業界によっては、これをクロスファンクショナルのフローチャートと呼んだ人もいますし、著者のギアリー・ラムラーとアラン・ブランチが最初のモデルを開発したことにちなんで、ラムラー・ブランチ図と呼ぶ人もいます。1990年、同じ著者が「Improved Processes」でスイムレーン図のコンセプトを記録しました。彼らは、既存の複数列のフレームワークを基に、複数のユニットや部門が関与するプロセスを精緻化しました。

今日のスイムレーンのフローチャートは、プロセスフロー図、ビジネスプロセスモデルや表記法(BPMN)、統合モデリング言語(Unified Modeling Language)における重要な側面を表しています。特定のメンバーごとのプロセスを示すだけでなく、クロスファンクショナルのフローチャートは、プロセスを円滑に進めるためのメンバー間の相互作用も示します。

スイムレーンを使うメリット

スイムレーン図の概念を深く理解する前に、この構造がチームのプロジェクトにもたらすメリットをよく見てください。

  • ダイアグラムには複数のレーンがあり、各個人や部門の責任を示すことができます。これは、企業内の複雑なプロセスを簡素化するのに役立ちます。

  • スイムレーンのフレームワークを通じてプロセスを可視化することで、従業員の組織的役割の概要をより詳細に把握することができます。その結果、ボトルネック、不必要なステップを減らすことができます。例えば、スイムレーンのフローチャートで、財務部門に直結している部門があるとします。つまり、財務部門にボトルネックがあれば、関係する他の部門にも影響が及ぶことが予想されます。先にボトルネックを知ることで、プロセスを合理化し、必要なリソースを割り当てるべき場所を特定することができます。

  • すべての関係者と個人が含まれるようにします。全員それぞれの役割が図上で表示され、各部門や組織内でどの関係を優先しなければならないかも各メンバーが把握しています。

  • 作業プロセスを標準化し、共有可能な形式で保存することで、必要に応じて他のメンバーや関係者が簡単に参照できるようになります。

スイムレーン図の属性と要素

スイムレーン図には2つの重要な要素があります。それらは以下の通りです:

  • 最初にスイムレーン図とは何かを調べたとき、縦線または横線で構成された構造であることをご存知でしょう。チャートの最上部には、従業員、部門、またはワークグループなどの「アクター」が表示されます。
  • プロセスステップ。一般的には、特定のレーン内に明記され、他のプロセスとアクター間の関係を示す矢印で結ばれています。

また、フローチャートの記号を使用して、ダイアグラム上のさまざまな要素やプロセスを表現できます。スイムレーンのフローチャートを作成する際には、いくつかの点について知る必要があります。

  • 開始/終了。これはフローがどこで始まり、どこで終わるかを示します。楕円形を使ってこのプロセスを表します。
  • プロセス1。このプロセスには、記事を書く、スケジュールを作成する、材料を準備するなどがあります。図上で何が必要かに応じて、複数のプロセスを作成できることを覚えておいてください。長方形はこのプロセスを表します。
  • 注文書、領収書、信用調査報告書などの書類がプロセスに含まれる場合は、必ず長方形の底辺に波線がある図形を使います。
  • ダイアグラムの菱形は、プロセスを進めるために決定が必要なことを意味します。

特にプロセスが複雑な場合、スイムレーンのフローチャートにはより多くの要素があります。デジタルの作図ツールを使えば、図面上で構造を考え始めると、各図形にラベルが付けられるので、いくつかの記号だけを覚える必要があります。ただし、フローチャートを作成する前に、必要な要素を確認しておきましょう。

スイムレーン図の作成方法

  1. 仕事に必要なツールを確認する。個人的に使用するためならば、時間がない場合は紙にフローチャートを書き写すことができます。一方、複雑なプロジェクトの場合は、作図ソフトを活用できます。簡単に構造化できるテンプレートもあります。
  2. 目標を明確にする。フローチャートを作成するにあたり、チームの最終的な目標を決めます。包括的かつ簡潔な目的を示すために、含めるべきプロセスと詳細を検討します。
  3. プロセスを個別のタスクに分解する。全体のプロセスと境界線に目を向けることも忘れないでください。すべてをリストアップし、後で洗練させることもできます。
  4. レーンを特定する。スイムレーン図の流れを把握する必要があります。ワークグループ、参加者、部門、その他の関係者など、さまざまなレーンのカテゴリーに注意を払うべきです。
  5. プロセスを描く。連続するプロセスをそれぞれのスイムレーンに配置し、レーン間のつながりも含める必要があります。また、期限とタスクの責任者を追加することもできます。
  6. ダイアグラムを分析する。フローチャートのシミュレーションを行い、ボトルネック、不必要なもの、ギャップを把握します。
  7. チームを参与させる。フローチャートは、必ず担当チームや部門と一緒に作成しましょう。あなたが見落としているプロセスを確認するために、全員が参加する必要があります。
  8. フローチャートを共有する。ご存知のように、オンライン作図ツールでは、特定のリンクを使用して図表を共有することができます。全員がそのドキュメントにアクセスし、ワークフロー全体を導かれるようにしましょう。

効果的なスイムレーン図を作成するためのヒントとベストプラクティス

スイムレーン図を作成する際には、以下の点を考慮するとよいでしょう。

  • フローチャートの記号と要素に慣れる。これは、フローチャートに関連する記号をすべて暗記しなければならないという意味ではありません。あなたのダイアグラムに必要な一般的なものだけを知っていればいいです。覚えておくべき一般的な記号は、開始と終了を示す楕円、プロセスを示す長方形、決定を示す菱形、すべての図形をつなぐ矢印の4つです。
  • プロセスとサブプロセスを知る。これらを特定するのは難しいです。チームと協力し、これらのステップを適切なレーンに配置した方がいいです。
  • 評価し、改良する。効率性を高めるには評価が必要です。肝心なチームにフローチャートをレビューしてもらい、プロセスの修正が必要かどうかを確認することができます。

スイムレーン図の例

スイムレーンのフローチャートの用途は多様なため、単純なものからより複雑なプロセスまで、いくつかの例があります。このフレームワークは、以下のようなの業界でほとんど使用されています:

製造業

下の最初のスイムレーンの図は比較的複雑で、様々なカテゴリー、レーン、プロセスがあります。このプロセスは、顧客が発注書を提出することから始まり、営業チームはその発注書に留意しなければなりません。見ての通り、ほとんどのプロセスで異なる部門からの承認が必要となります。最終的なプロセスは、出荷が終了したか、注文が出荷されたかを表します。

Swimlane diagram-for manufacturing

Eコマース業界

ECビジネスを展開している場合、このスイムレーン図はインスピレーションを得るのに適しています。最初の例とは異なり、下の図は比較的簡単です。フローチャートの記号に加えて、プロセスをグループ化するために色も利用しています。こうすることで、ステップ間の関係を識別しやすくなります。他の種類の矢印を使うこともできますが、見る人に理解してもらうために、専門家は最大2種類まで使うことを推奨しています。最も重要なのは、レーンを増やすことも、2つか3つまでに減らすこともできます。図に何が必要かによります。

Sales order fulfillment swimlane flowchart

スイムレーン図に関してよくある質問

スイムレーンの目的とは?

スイムレーン図の目的は次の通りです:

  • スイムレーン図は、プロセスを特定のセクションに分割することで、最初から最後までをプロセスの全体を整理できます。フローチャートで行と列が異なるのはこのためです。
  • このダイアグラムによって、チームや組織内の特定のアクターに割り当てられたプロセスやサブプロセスを伝え、強調することができます。また、フレームワークの中で全員が自分のタスクに責任を持つことができるため、より良いコラボレーションが促進されます。
  • 非効率やボトルネックを特定することで、レーン間の不必要な部分、重複、生産への制約、遅延などを把握することができます。その結果、後でこれらの問題に対処し、品質とパフォーマンスを向上させることができます。
  • この図を使ってプロセスをより分かりやすく説明し、テクノロジーの変化やスタッフの配置など、変化しうる状況を考慮します。
  • 最も重要なのは、企業がスイムレーンのフローチャートを使用して、チームや部門間の統合プロセスを視覚的に表現できることです。その結果、より簡潔で整理されたワークフローを作成できます。

フローチャートとスイムレーン図の違いは何か?

フローチャートとスイムレーン図は技術的に関連しています。基本的に、フローチャートは複雑なプロセスを整理するための視覚化ツールです。フローチャートは、ワークフローのシーケンス、ステップ、および決定を示します。フローチャート内には、図中のすべてのステップを表すために使用しなければならない記号があります。フローチャートにはさまざまな種類があり、その1つにスイムレーンがあります。ご存知のように、この図は、あるプロセス内で誰が何をする必要があるのかを概説することを目的としています。

この2つの明らかな違いは、スイムレーンまたはクロスファンクショナルフローチャートで使用されるレーンにあります。それはプールのレーンをイメージしています。通常のフローチャートでは、水平線と垂直線は見られません。しかし、スイムレーンのフローチャートにおけるこれらの区分は、プロセス内の特定のステップを区分するために不可欠です。

結論

スイムレーン図とは何か、お分かりいただけたと思います。ここに示した例は一見複雑ですが、記号に慣れればスムーズに作成できます。また、スイムレーン図に関するコツを学ぶなら、あらかじめデザインされた図が大いに役立つでしょう。

デジタルのソフトウェアが、長方形、菱形、矢印などの基本的な記号を含むフレームワークの例を配置してくれます。もちろん、どの記号が必要かを知っておく必要がありますし、フローチャートに不要な記号は削除することもできます。また、フローチャートを独自に作成したい場合は、空白のキャンバスも用意されています。最後に、最も重要なことは、このフローチャートの複雑さに圧倒されないことです。何せよ、スイムレーンは、複雑なプロセスを具体的なステップに分解することを目的としており、それもあなたが図表を作成する最終的な目的でしょう。