導入部

物事には節目があります。何事も節目を明確にし他者と共有することで、円滑な進行と不具合への迅速な対応が可能になります。それはビジネスの世界でも同様であり、プロジェクトを進行させる上で重要なポイントを把握し、メンバー間で共有することでプロジェクトの成功率を高めることができます。今回はそんなプロジェクト管理における節目、マイルストーンを解説します。マイルストーンを効果的に活用して、プロジェクトを成功へと導きましょう。

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マイルストーンとプロジェクト管理

1.マイルストーンとは

マイルストーン(milestone)は、距離の単位であるマイル(mile)と、石を意味するストーン(stone)を組み合わせた言葉です。元々マイルストーンはヨーロッパなどで用いられていたもので、道路や線路などの目印として1マイルごとに置いていた石が語源です。現在の日本の道路に設置されている案内標識が現在地から目的地までの距離を表しているとすれば、マイルストーンは基点から現在地まで何マイル離れているかを測る基準になります。

共通しているのは、自分がどの位置にいるのかを把握するために使用されていたということです。

2.ビジネス用語としてのマイルストーン

このように元々マイルストーンは道路や線路の目印として利用されていた言葉です。しかし現在のビジネスシーンにおいては、プロジェクトの中間地点など節目を示す言葉として使用されています。プロジェクト内で特に重要とされているタスクをマイルストーンとして設定し、プロジェクトメンバーにその重要性を認識させる目的があります。

マイルストーンは一つのプロジェクトに一つだけとは限らず、複数設定されることもありますが、特に長期的なプロジェクトであればあるほどマイルストーンの数は増え、またその重要性も増していきます。

ガントチャートとマイルストーンの違い

プロジェクトの進捗を可視化するために用いられる、ガントチャートと呼ばれる手法があります。ガントチャートはプロジェクトの日程や進捗情報を棒グラフで表し、進捗の確認やメンバー内での共有を容易にします。進捗情報の可視化としては、ポピュラーな手法です。

マイルストーンはガントチャートと併用されることが多く、ガントチャートで可視化されたスケジュールの上にマイルストーンを設定します。プロジェクトマネージャーはプロジェクトで重要と思われるタスクをマイルストーンに設定し、情報共有を図ります。

マイルストーンのメリット

プロジェクトを進めるにあたって、マイルストーンを利用するメリットは何ですか。具体的には、以下のようなメリットがあります。

1.スケジュールの進捗管理が容易になる

大規模なプロジェクトであればあるほど関わる人員が増え、長期的なスケジュールのもとで進めていかなければなりません。管理する側にとっては、プロジェクトの規模が管理の難易度に直結します。規模が大きければ時に複数のチームで同時進行させる必要もあり、全体の状況を正確に把握することはより難しくなります。各チームの立ち位置を見失ってしまうこともあるかもしれません。

しかしガントチャートでスケジュールを可視化し、マイルストーンを設定していればプロジェクトの進捗が一目で判断できるようになります。そのため複数チームであっても進捗管理が容易となり、万が一遅延が発生していても、マイルストーンを設定し直すことでプロジェクト全体のバランスを調整することができます。

管理者以外でも進捗を把握しやすい点も、プロジェクト参加者全員で注視できることもメリットとなります。

2.品質管理の向上

マイルストーンを設定することで進捗管理が容易になるだけではなく、設定されたタスクごとに商品やサービスを見直し、品質を向上させることも可能です。プロジェクトの開始から完遂に至る商品やサービスの品質を管理することは簡単ではありません。しかしマイルストーンごとに立ち止まり商品の品質を確認すれば、クオリティの維持につながり、更に不具合が発生しても素早く対処することができ、結果的に品質向上へつなげることができます。

3.作業効率の改善

マイルストーンでプロジェクト全体が管理できていれば、作業に遅れが生じたタスクがあっても余裕のあるチームにフォローしてもらったり、別のタスクを先に進めるなどのバランス調整が可能になり、作業効率を高めることができます。大規模のプロジェクトであればあるほど不測の事態は発生しやすく、不具合を完全に防ぐことは困難となります。しかしマイルストーンで進捗を管理できていれば、プロジェクト全体を考慮しながらフォローすることもできます。

4.メリハリをつけられる

ビジネスシーンに限らず、長期的な作業になればなるほど緊張感を維持することは難しく、気が緩んでしまう場合があります。プロジェクトにおいても同様ですが、マイルストーンを活用することで作業に対してメリハリを持たせ、緊張感を保たせることができます。

BoardMixでマイルストーンを用いたガントチャートを作成

1.マイルストーンの使い方

・プロジェクトのスケジュールを組む

まずはプロジェクトの開始から完了までのスケジュールを組み立てます。このスケジュールに不合理なところがあると後に高確率で修正を余儀なくされるため、ある程度余裕を持った日程で組むことが望まれます。人員、外部要因、平行するプロジェクトなど様々な要因を考慮しながら無理のないスケジュールを作成しましょう。

・タスクの設定

プロジェクト内で必要となる業務をタスクとして設定します。タスクを設定することで、プロジェクトの進行を管理しやすくなります。タスクを設定したら、それぞれの担当者を決定しましょう。ここまででプロジェクトの概要がきまります。

・ガントチャートを作成

次にガントチャートを作成します。ガントチャートは前述したように、プロジェクトの進捗を棒グラフで可視化したものです。進捗はプロジェクト開始後に実績として記入していくので、まずはタスクごとの予定を記入していきます。予定や期日は事前に作成したスケジュールを参考にして下さい。

・マイルストーンを設定

作成したガントチャートの中で、注意すべきタスクを洗い出しマイルストーンを設定します。特に難しい記載は必要なく、一目見て判断できるようなマークを記入すれば良いです。

2.BoardMixで作成

BoardMixはクラウドを利用し、リアルタイムでの情報共有・共同作業を可能にしたツールです。多彩なテンプレートやアイコンがあり、様々な状況に合わせ効果的な図を作成することができ、ガントチャートの作成にも適しています。BoardMixは基本無料で使用できるため、初めての方でも安心して始めることができます。

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https://boardmix.com/

・新規のホワイトボードを開きます。

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・作成するガントチャートに適したテンプレートを選択します。線画でも構いません。

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・テンプレートを修正し、タスクや担当者などを入力します。

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・進行予定をグラフで入力しマイルストーンを設定したらガントチャートは完成です。プロジェクト開始後の進捗や実績を入力していきましょう。

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まとめ

長期的なプロジェクトであるほど、マイルストーンは重要な役割を果たします。長い旅路の途中、節目ごとに立ち止まり足元を見定めるからこそゴールに辿り着くことができるのです。携わる時間が長ければ長いほど、少しの見落としや進路のずれが発生してしまうものです。マイルストーンを活用し、着実にゴールまで歩んで行きましょう。